相続Q&A

相続人がいない時の財産の行方

相続が発生した場合、民法の規定に従って相続人が決定されます。
相続人の確定につきましては、相続Q&A「誰が相続人になるのでしょうか?」をご参照下さい。

しかし、相続人が誰もいない場合もあります。

そのような場合亡くなった方の財産はどうなってしまうのでしょうか?

下記のような事由がない場合には国庫に帰属することになります。

遺言で受遺者を指定している場合

亡くなったか方が生前に遺言書を作成しており、遺言書の中で自分の財産を受け取る受遺者を指定している場合、受遺者が財産を受け継ぎます。

受遺者は人に限りません、法人や団体でも受遺者に指定することはできます。

相続人がいない方は、お世話になった方や支援したい法人、団体を受遺者に指定することで自分の死後も財産を受け継がせることができます。

特別縁故者がいる場合

特別縁故者とは、
・被相続人と生計を同じくしていた者
・被相続人の療養看護に努めた者
・その他被相続人と特別の縁故があった者
をいいます。

相続人がいなく、一定期間以内に債権者や受遺者が現れなかった場合、上記の特別縁故者は家庭裁判所に申し立てることにより、亡くなった方の財産を譲り受けることができます。

相続財産が不動産で共有者がいる場合

相続財産が不動産の場合で共有者がいる場合、相続人がいなく、一定期間に債権者や受遺者が現れず、さらに特別縁故者もいない時には不動産の共有者が亡くなった方の共有持分を取得することになります。

相続人がいない場合には

相続財産が特別縁故者に行く場合も、不動産の共有者に行く場合も、非常に時間と費用がかかることになります。

相続人がいない場合には、遺言書を作成して自身の財産の受継ぐ人を指名しておくことをお勧めします。

執筆者

松村大輔

司法書士・行政書士まつむら事務所代表 松村大輔(司法書士、行政書士)

1979年青森県生まれの埼玉県育ち。中央大学法学部卒。 大学卒業後、横浜市内の司法書士事務所にて相続、遺言、不動産登記、商業登記の経験を積みながら在職中に司法書士資格、行政書士資格を取得。
2015年に独立し、司法書士・行政書士まつむら事務所を開設。
開業後は相続業務を中心に活動、ご依頼者様のお話を丁寧に伺い、寄り添ったサービスを提供できるよう心掛けております。