相続Q&A

家族が亡くなった時どのような手続きが必要ですか?

人が亡くなると様々な手続きになります。

以下に一般的な手続きと期限を記載致します。

7日以内に行う手続き

死亡届の提出

死亡届は死亡の事実を知ってから7日以内(外国で亡くなった場合は、その事実を知ってから3か月以内)に死亡者の本籍地、亡くなった場所、届出人の住所地のどれかの市区町村の役所に提出しなければなりません。(戸籍法第86条)

死亡届を提出することができるのは、親族、同居者、家主、地主、後見人等です。

火葬、埋葬許可申請

火葬、埋葬の許可申請は一般的には死亡届と同時に役所に申請します。(墓地、埋葬等に関する法律第5条)

3か月以内に行う手続き

相続放棄の申述

被相続人の財産も負債も、一切相続したくない場合には家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。

相続放棄の申述は、自分が相続人であることを知ったときから3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出しなければなりません。

相続放棄について詳しくはこちらをご覧下さい。

限定承認の申述

財産より負債の方が多いもしくは負債の額が不明な場合に、相続した財産の額の限度で負債も受け継ぐ制度です。

限定承認の申述も、自分が相続人であることを知ったときから3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出しなければなりません。

また、限定承認の申述は相続人全員で共同して行わなければなりません。

4か月以内に行う手続き

準確定申告

亡くなった方が確定申告をする必要がある方の場合、相続人は相続開始の翌日から4か月以内に準確定申告を行わなければなりません。

10か月以内に行う手続き

相続税の申告

相続税の申告が必要な場合は、相続開始の翌日から10か月以内に相続税の申告が必要です。

1年以内に行う手続き

遺留分侵害額請求

遺留分とは相続人に最低限保証される相続分です。

不公平な遺言などにより、自身の遺留分が侵害された場合は、侵害した相手に対して遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求は、相続及び遺留分の侵害を知ってから1年以内に行わなければなりません。

また、遺留分の侵害を知らずとも相続開始から10年経つと請求できなくなります。

速やかに行う手続き

預貯金の解約または名義変更

亡くなった方が口座をお持ちの場合、金融機関が口座所有者の死亡を知ると口座は凍結されます。

預金を引き出すためには相続手続きを行わなければなりません。

相続登記

亡くなった方名義の不動産は相続登記を行わなければなりません。

現在(2022年4月)は相続登記に期限はありませんが、2024年4月1日から相続登記が義務化されます。

不動産を相続したことを知ってから、3年以内に相続登記を行うか、相続人であることを申告しなければ10万円以下の過料が課せられます。

車やバイクの名義変更

亡くなった方名義の車やバイクがある場合、相続人に名義変更しないと売却することも廃車にすることもできません。

自筆証書遺言の検認

自筆証書遺言がある場合は、遺言書を保管していた方、もしくは、遺言書を発見した相続人は、家庭裁判所に検認の申立てを行わなければなりません。

ただし、自筆証書遺言でも法務局に保管されていた場合や、公正証書遺言の場合は検認は必要ありません。

相続手続きはお早めに

上記に記載したのは相続手続きの一部です。

亡くなった方の状況によっては、他の手続きが必要になりますのでご注意下さい。

期限を過ぎると過料や罰金が発生したり、手続き自体が出来なくなるものもあります。

わからないことがありましたら早めに専門家にご相談下さい。

執筆者

松村大輔

司法書士・行政書士まつむら事務所代表 松村大輔(司法書士、行政書士)

1979年青森県生まれの埼玉県育ち。中央大学法学部卒。 大学卒業後、横浜市内の司法書士事務所にて相続、遺言、不動産登記、商業登記の経験を積みながら在職中に司法書士資格、行政書士資格を取得。
2015年に独立し、司法書士・行政書士まつむら事務所を開設。
開業後は相続業務を中心に活動、ご依頼者様のお話を丁寧に伺い、寄り添ったサービスを提供できるよう心掛けております。