自筆証書遺言の書き方
一般的な遺言書には自分で作成する自筆証書遺言と公証人が作成する公正証書遺言があります。
公正証書遺言は公証人と打ち合わせをしながら作成しますので時間や費用がかかります。
これに対して自筆証書遺言は自分で書きますので、費用がかからずに手軽に作成することができます。
手軽に作成できる自筆証書遺言ですが、有効と認められるためにはいくつか守らなければならないルールがありますので注意が必要です。
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自筆証書遺言のルール
ルールその1 自分で書かなければならない
自筆証書遺言は全文を自分で書かなければなりません。
パソコンで作ったり、他人に代筆してもらったりすると無効になります。
ただし、財産目録に関しては自筆でなくパソコンで作成したものに署名押印したものでも有効となります。
ルールその2 作成した日付を記載しなければならない
作成した年月日を記載しなければなりません。
年号は西暦でも和暦でもどちらでも問題ありませんが、令和4年4月吉日等の日付が特定できない書き方だと遺言書が無効になる恐れがありますのでご注意ください。
ルールその3 氏名を記載しなければならない
遺言者の確定のために氏名の記載が必要になります。
戸籍上の氏名を記載するのが原則ではありますが、他人と区別することができれば通称、雅号、芸名でも有効とされた例もあります。
ルールその4 押印しなければならない
判子の種類には規定はありませんので、実印でなくても認印でも問題ありません。
ルールその5 決められた方法で訂正しなければならない
書き損じ等を訂正する場合、訂正場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければなりません。
内容についての注意点
財産は正確に記載する
不動産の場合には「自宅」といった書き方ではなく、できるだけ不動産の登記事項証明書のとおりに記載しましょう。最低でも土地ならば所在と地番、家屋ならば所在と家屋番号は記載しておくべきです。
預貯金の場合は、相続人が手続するときのことも考慮して銀行名、支店名、預金の種類、口座番号を記載したほうがよいでしょう。
財産の記載漏れがないようにする
財産の記載漏れがあると、その部分につきましては相続人全員で話し合い誰が相続するかを決めなければなりません。
また、遺言書作成後に新たに不動産を取得したり、銀行口座を開設した場合も同様です。
「その他すべての財産は〇〇に相続させる」という文言を記載しておくと上記の場合にも対応することができます。
遺言執行者を指定しましょう
遺言執行者とは遺言者の死後、遺言書の内容を実現するための手続きを行う人です。
遺言執行者を指定しておくと、一部の例外的な場合を除いて銀行や法務局への手続きを遺言執行者の印鑑のみで行うことができますので、手続きをスムーズに進めることができます。
自筆証書遺言を書いた後は
自筆証書遺言を書いた後は紛失しないように気を付けて保管しましょう。
法務局で保管してもらうことも可能です。
遺言者の住所地を管轄する法務局、本籍地を管轄する法務局、遺言者の所有する不動産の所在地を管轄する法務局のいずれかに遺言書の保管申請をすることができます。
お悩みの時は専門家にご相談を
自筆証書遺言の書き方についてお悩みの方は司法書士・行政書士まつむら事務所にご相談ください。